ナオーキのなんでもレビュー

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映画『アントニオ猪木をさがして』をアマプラで観た感想

プロレスラーとしてのみならず、実業家、政治家としても活躍し、2022年10月に逝去した、日本の歴史的人物、アントニオ猪木

その波乱万丈な人生を追ったこのドキュメンタリー映画では、何が描かれるのか。

Amazon Prime Videoで視聴してみました。

アントニオ猪木をさがして

アントニオ猪木をさがして』

2023年 日本映画

上映時間 107分

監督    :和田圭介 三原光尋

ナレーター :福山雅治

キャスト  :有田哲平 オカダカズチカ 安田顕 棚橋弘至 藤波辰爾

 

予告編はこちら↓

目次

 

概要

プロレスラー、実業家、政治家として活躍した日本の歴史的人物、アントニオ猪木の実像に迫るドキュメンタリー作品。

 

感想

ナレーターが福山雅治

芸能事務所アミューズ制作ということもあり、ナレーターが福山雅治

別に下手ではありませんが、すぐに福山の声だということはわかり、福山の顔がちらついて気になってしまいます。

これはナレーターとしては、よいことだとはいえません。

 

「出る前に負けること考えるバカいるかよ」

試合前にアナウンサーに

「もし負ける、ということがあれば・・・、勝負は時の運、という言葉ではすまないことになりますが」

と聞かれたときに猪木が、

「出る前に負けること考えるバカいるかよ。(アナウンサーを張り手で殴る)出てけコラ!!」

今やネットミーム化しているこのシーンも、しっかり出てきます。

 

ブラジル時代の仕事仲間の話

日本の歴史的人物であるアントニオ猪木が、ブラジル育ちの人間であるということは、一般にはあまり知られていません。

このドキュメンタリー作品の序盤では、猪木がブラジルのコーヒー農園で働いていた時代の仕事仲間が登場し、当時の状況を生の声で語ってくれています。

非常に貴重な映像だと思います。

ちなみにアントニオ猪木は自伝本の中で、

「ブラジルのコーヒー農園での労働は苦しくて、生き地獄のように感じた。あの頃と比べたら、プロレスラー時代の苦しみなんて大したことはない」

と語っています。

 

藤波辰爾藤原喜明新日本プロレス旗揚げ当時の話

共にレジェンドクラスのプロレスラーである藤波辰爾藤原喜明アントニオ猪木を語る!

特に藤原喜明の猪木が絶壁頭を気にして髪をセットしていた話が面白かったです。

 

唐突に始まるドラマ

唐突に猪木ファンの小学生の少年を主人公としたドラマが始まります。

テレビの取り合いでお姉ちゃんとケンカしたりして、なんだか家族ドラマのような感じです。

家の中でも小学校の名札を付けたままなのが笑えます。

 

アントニオ猪木VSモハメド・アリ戦当時の話

写真家の原悦生氏が、安田顕との対談の中で、

「猪木アリ戦の中で後半、猪木がスライディングするときのシュッという音が耳に残っている」

という話をしますが、当時現地にいた人間にしか語れない、貴重な話だと思いました。

 

演出家としてのアントニオ猪木

藤波辰爾が語る、

「猪木さんは演出家としても優れていて、自分の試合の前にも関わらずテレビの画面の画角や空席の有無まで気にして、いちいち指示を出していた」

という話は、初耳で、新鮮な感じでした。

 

藤原喜明長州力襲撃事件の裏話もあり

藤原喜明のインタビューの中で、札幌での長州力襲撃事件の裏話も聞けます。

藤原喜明の「あまり話したくないんだけどね・・・」からのオブラートに包んだような、それでいて誰の指示だったのかがはっきりわかるような話しかたが藤原らしくて面白かったです。

 

棚橋弘至が新日道場の猪木のパネルを外した理由

現在の新日本プロレスのエースであり社長である、棚橋弘至

私は闘魂三銃士を見ていた世代で、その頃はプロレスファンでしたが、闘魂三銃士が一線を退いてからは、プロレスから離れていたので、棚橋時代のプロレスはほとんど見たことがありません。

プロレスファンの間では有名なあの「猪木問答」の場に棚橋弘至がいたことも知りませんでした。

しかしこの映画を見て、アントニオ猪木アンタッチャブルな「神」のような存在だと思っていた蝶野や永田、中西などの世代のレスラーと違って、棚橋は猪木を「神」だとは思っておらず、あの「猪木問答」の場で小さな反抗を試みていたことを知り、少し感動しました。

後に新日本プロレスを代表するスーパースターとなる棚橋弘至が、長年新日本プロレス道場を見守り続けてきたアントニオ猪木の全身パネルを、外す決断をすることになります。

 

ドラマパートがどうも中途半端

この映画は関係者がアントニオ猪木について語るドキュメンタリーパートと、俳優が猪木ファンの少年を演じるドラマパートがあるのですが、ドラマパートは時間も短くどうも中途半端感があり、これならドキュメンタリーならドキュメンタリー、ドラマならドラマ、と一本に絞ったほうがよかったと思います。

しかし猪木ファンの少年が、落ちぶれた中年になった姿を安田顕が演じているのですが、そのやさぐれ具合がリアルで、さすがの演技力だなと思いました。

 

アントンハイセルの失敗も扱ってほしかった

「サトウキビから砂糖を作ったあとの搾りカスをバイオ技術で牛の餌に変えて牛に与え、その牛の糞を肥料としてまたサトウキビを作る」

という夢の永久機関を目指した猪木が設立した会社「アントンハイセル」。

結果は金目当ての人間に金だけ取られて、見事に失敗に終わりました。

 

このエピソードはアントニオ猪木という、夢見がちで人をすぐに信じてしまい、ビジネスマンには全く向いていない男を語るエピソードとして最高だと思うのですが、この話は藤原喜明のインタビューでちらっと出てきた程度で、この映画では語られることはありませんでした。

それが個人的に残念な点ですね。

 

まとめ(猪木の人生はやはり面白い!)

さて、アントニオ猪木という不世出の歴史的人物を語ろうとしたこのドキュメンタリー作品、「全然語り切れてない」というのが私の感想です。

しかし、ブラジル時代の猪木の知人の話、棚橋弘至の話、など、猪木の自伝を読んだ私でもしらなかったエピソード、映像などもあり、猪木ファン、プロレスファンなら観るべき内容だなという印象です。

Amazon Prime Videoでぜひ!

 

Amazon Prime Videoでの視聴はこちら↓

アントニオ猪木をさがして

 

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教養としてのアントニオ猪木

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