ナオーキのなんでもレビュー

主にネトフリ、アマプラで見た映画やドラマをレビューしていきます!

アニメ『忘却バッテリー』第1話をアマプラで観た感想・レビュー

圭じゃなきゃ、俺の球は捕れない

中学時代、「怪物バッテリー」と呼ばれた天才投手清峰葉流火と”知将”捕手要圭

しかしその道は、要圭の突然の記憶喪失によって閉ざされてしまった。

野球を諦め、野球無名校の都立高校に進学した2人の復活と、絆を描いたこの『忘却バッテリー』。

完璧な演出が光る第1話を観て、感想とレビューを書いていきたいと思います!

ネタバレありのレビューです

第1話 思い出させてやるよ

『忘却バッテリー』

2024年 日本アニメ

監督   :中園真登

 

目次

 

あらすじ

中学野球において、「怪物バッテリー」と称されていた完全無欠の投手清峰葉流火と”知将”と呼ばれた捕手要圭

全国の野球強豪校からスカウトを受けていた彼らが入学したのは、野球無名校の東京都立小手指高校だった。

そして圭は記憶喪失になり、野球に関する知識も、興味も、失ってしまっていた。

 

登場人物

清峰葉流火(きよみねはるか)

CV:増田俊樹

ポジション:投手

身長185cmの恵まれた体格から繰り出される剛速球が武器の投手。

長身イケメンだが、性格は無口でコミュニケーション能力に乏しい。

中学までは要圭と共に「怪物バッテリー」と称されていた。

 

要圭(かなめけい)

CV:宮野真守

ポジション:捕手

身長:172cm

中学までは冷戦沈着なリードでチームを勝利に導く”知将”と称された野球選手だったが、高校生になってからは記憶喪失のため、野球の腕は素人同然になってしまった。

 

山田太郎(やまだたろう)

CV:梶裕貴

ポジション:捕手

身長:164cm

本作の語り手。

小柄で野球センスも高くないが、穏やかな性格で、仲間からの人望が厚い。

 

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感想

女性原作者らしいイケメン設定

まず良くも悪くも気になったのが、主人公、清峰葉流火の長身イケメン設定。

イケメンと言っても「男前」という感じではなく、他の野球漫画、アニメにはあまり登場しないいかにも女性受けしそうなイケメン設定は、女性原作者ならではと言えるのかもしれません。

 

もう一人の主人公要圭おちゃらけて寒いギャグを連発するキャラ設定ながら、身長は平均よりやや上、金髪と、ビジュアル的にはかなり女性受けする印象です。

 

シリアスとギャグの絶秒バランス

記憶喪失になり、”知将”としての人格が消え、寒いギャグを連発するような(痛い)キャラになってしまった要圭

今後も寒いギャグを連発する要圭に対し、ツッコミを入れまくる山田太郎、という、シリアスな野球シーンの合間にふんだんにギャグシーンを入れた展開が続きそうです。

 

「怪物バッテリー」復活までの演出が最高

第1話のクライマックスは野球部の2年生と葉流火との対戦シーン。

最初葉流火の球を受けるキャッチャーは山田太郎

「俺の本気の球を受けられるのは圭だけ」と言わんばかりに、100km/h程度に加減した球を投げる演出がにくい。

 

そしてそれを見ていた要圭の顔が段々マジになっていき、山田とキャッチャーを交代し、要圭を前にして本気モードになった葉流火から放たれる剛速球!!

 

最高の演出です。

 

「思い出させてやるよ」

俺の球で、思い出させてやるよ。野球の楽しさ

素敵なバディストーリーが始まりそうな、予感!

 

主題歌はMs. GREEN APPLEの『ライラック

オープニング主題歌はロックバンドMs. GREEN APPLEの『ライラック』です。

爽やかなアップテンポナンバーで、この作品にぴったりだと思います。

 

エンディングテーマはマカロニえんぴつの『忘レナ唄』。

エンディングでは、作中とは違う絵本のようなタッチで主人公2人の子供時代~少年時代が描かれ、好印象です。

 

まとめ:幼なじみの絆を描く良作になりそうな予感!

第1話ではメインキャラは3人のみの登場でしたが、これからなぜか野球とは縁のない都立高校に野球の天才たちが集まり、最強チームが結成される模様!

野球と記憶喪失を組み合わせたこれまでにない意欲作。

失われた天才バッテリーの復活はあるのか?!

幼なじみの絆を描く良作アニメになりそうな予感に、これからも、目がはなせません!

 

アマゾンプライムビデオでの視聴はこちら↓

第1話 思い出させてやるよ

 

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【大ヒットSF小説のドラマ化】Netflixドラマ『三体』の感想・レビュー

They are coming.(彼らは来る)

あの大ヒットドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』のスタッフたちが再結集して作り上げられた、世界中で超話題のこのSFドラマ『三体』。

静かに始まり、そして次第に圧倒的なスケールへと広がっていくこの物語は絶対に見逃せない!

ゲーム・オブ・スローンズ』との関連、比較も含めて、感想、レビューを書いていきたいと思います!

(ネタバレなしのレビューです)

三体 (ハヤカワ文庫SF)

『三体』

2024年 Netflixオリジナルドラマ 全8話 各話約55分

推奨年齢 16歳以上

制作   :デビッド・ベニオフ D・B・ワイス アレクサンダー・ウー

原作   :リウ・ツーシン

音楽   :ラミン・ジャヴァディ

 

目次

 

あらすじ

1960年代の中国。

文化大革命によって父を殺され、絶望した天体物理学者イェ・ウェンジェが下した決断が、何十年もの時を経て、現代に重大な影響を及ぼす。

科学者たちの謎の連続死。

そして科学者たちに送られてきた謎のデバイス、それを起動すると始まる、謎のVRゲーム『三体』の意味とは?

 

登場人物

オギー・サラザールエイザ・ゴンザレス

オックスフォードの5人の1人の女性。

ナノテクノロジーの専門家であり、ナノテクノロジー研究所のCSO(最高戦略責任者)。

ソールとは、恋人のような、そうでないような、微妙な関係である。

ある日、視界に謎のカウントダウンが見え始める。

 

ダーシー/ベネディクト・ウォン

イングランドの諜報捜査官の男性。

科学者の謎の連続死事件を捜査する。

 

ジャック・ルーニー/ジョン・ブラッドリー

オックスフォードの5人の1人の男性。

謎のVRゲーム『三体』にのめり込んでいく。

 

ジン・チェン/ジェス・ホン

オックスフォードの5人の1人の女性。

天才的理論物理学者。

インド系の軍人の恋人がいる。

謎のVRゲーム『三体』にのめり込んでいく。

 

ウィル・ダウニング/アレックス・シャープ

オックスフォードの5人の1人の男性。

教師として物理学を教えている。

末期の膵臓ガンで余命数ヵ月の宣告を受けている。

ジンに思いを寄せているが、ずっと言い出せずにいる。

 

ソール・デュランド/ジョヴァン・アデポ

オックスフォードの5人の1人の男性。

物理学研究所で助手を務める。

オギーとの微妙な関係を続けながら、不特定多数の女性と夜を共にしている。

 

イェ・ウェンジェ/ロザリンド・チャオ、ジーン・チェン(青年期)

全ての発端となった天体物理学者の中国人女性。

 

トマス・ウェイド/リーアム・カニンガム

諜報機関のリーダーの男性。

惑星防衛の責任者でもあり、目的のためには手段を選ばない非情な性格。

 

ゲーム・オブ・スローンズ』との関連

このドラマ『三体』は大ヒットドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』との関わりが深く、まず製作総指揮は『ゲーム・オブ・スローンズ』を手掛けたデヴィッド・ベニオフD・B・ワイスのコンビ。

音楽は『ゲーム・オブ・スローンズ』のラミン・ジャヴァディ

 

ゲーム・オブ・スローンズ』から再出演のキャストは5人。

まずはジョン・スノウの親友、サム役を演じたジョン・ブラッドリー

メインキャストの1人で、とても重要な役柄です。

 

もう一人のメインキャストは玉葱の騎士ダヴォスを演じたリーアム・カニンガム

彼が『三体』で演じるトマス・ウェイドというキャラクターは諜報機関のリーダーで、かつ惑星防衛の責任者でもある重要な役柄で、出番もとても多いです。

 

他にはハイ・スパロー役を演じたジョナサン・プライス

「スパイダー」ことヴァリスを演じたコンリース・ヒル

「鉄の銀行」のティコ・ネストリスを演じたマーク・ゲイティスが出演しています。

 

原作小説について

このドラマの原作小説は中国人SF作家であるリウ・ツーシン作の『三体』。

SF小説界最高の賞である、ヒューゴー賞をアジア人作家として初めて受賞。

2019年時点で全世界累計発行部数は2900万部を記録しており、20ヵ国以上の言語で翻訳されている。

Meta社のCEOであるマーク・ザッカーバーグ、映画監督のジェームズ・キャメロン、そしてアメリカ合衆国元大統領のバラク・オバマが絶賛したことでも知られている。

 

感想

理論は難解だが、ストーリーは意外にわかりやすい

このドラマには極めて難解な物理学の理論などが登場しますが、このドラマ自体のストーリーは、意外なほどシンプルです。

 

このドラマのストーリーを極めてわかりやすく説明すると、

何十年か前に中国人の物理学者イェ・ウェンジェが地球の文明に絶望し、地球外知的生命体に対しメッセージを送る。

地球外知的生命体がそのメッセージを受け取り、自分たちの星を捨て、地球に移住するために400年かけて地球を目指して旅立つ。

地球外知的生命体からのメッセージが地球に届き、地球は大混乱に。

 

大体こんな感じです。

 

様々な人種が活躍する、新時代のSFドラマ

ひと昔前までのSF映像作品と言えば、登場人物はほぼ全員が白人、という感じでしたが、この『三体』は原作がアジア人作家によるものということもあり、アジア系俳優を中心に、白人、ヒスパニック、黒人と、あらゆる人種が活躍する、新時代のSFドラマという印象です。

(ちなみに原作小説では、登場人物は全員中国人です)

 

俳優たちの演技も素晴らしい

このドラマ『三体』、ハリウッド映画などでよく見かけるような人気俳優こそあまり出演していませんが、俳優たちの演技もとても良かったです。

特に、若き日のイェ・ウェンジェを演じたジーン・チェン、そして末期ガンの宣告を受けるウィルを演じたアレックス・シャープは素晴らしい演技でしたね。

 

痛々しい残虐描写はなし

ゲーム・オブ・スローンズ』では容赦のない残虐描写が多数あり、それが一つのウリでもありましたが、この『三体』では多少の暴力シーンはあれど、『ゲーム・オブ・スローンズ』のような痛々しいシーンはほぼありません。

 

末期ガンのキャラ、ウィルをめぐる人間ドラマにも注目

このドラマ『三体』のメインストーリーは、地球外知的生命体と人類との攻防にありますが、その一方で末期の膵臓ガンで余命数ヵ月と宣告された人物、ウィル・ダウニングをめぐる人間ドラマも、とても見ごたえがあります。

他の人間たちが「三体」との闘いに注力する中、確定している自らの「死」と向き合い、次第に何かを悟ったかのような顔になっていくウィル

終盤、彼が下す決断とは?!

 

静かに始まり、次第に圧倒的スケールへと広がっていく

エピソード1で描かれるのは、物語の発端となった人物、イェ・ウェンジェの娘の謎の自殺と、主人公の一人、オギーの視界に突如現れた謎のカウントダウン。

この時点ではまだ静かな始まりで、それほど壮大なスケールを感じることはできませんが、エピソードを重ねるごとにスケールを増していき、エピソード5で1度頂点に達するイメージです。

エピソード5の演出は本当に圧倒的なので、是非ここまで観ていただきたい!

 

明らかに次回作を意識した終わり方

一本のドラマとしての完成度のみを考えて制作されたなら、エピソード5のラストで終わらせた方が明らかによかったはず。

それをあのような比較的静かな終わらせ方を選択したのは、明らかに次回作(シーズン2)への連続性を意識してのことだと思われます。

私は原作小説は未読ですが、原作の「三体」は三部作で、このNetflixドラマ版は二作目の途中までの内容とのこと。

 

シーズン2は未定

Netflixドラマ版『三体』シーズン2の制作は、まだ決定されていません。

『三体』の制作陣は本作を4シーズンでの完結を考えているとのこと。

絶対に実現してほしいですね!

 

まとめ:これを観るためにネトフリに加入しましょう

私は別にNetflixのまわし者でも何でもありませんが、このドラマ『三体』を観るためだけにでも、ネトフリに加入する価値のある作品だと確信しています。

異星人襲来の前段階で繰り広げられる異星人との攻防、という少し異色なこのSFドラマ。

まだシーズン2の制作すら未定ですが、予定通りいけばシーズン4で完結とのことなので、シーズンを重ねるごとにキャラクターへの愛着や親近感が湧いていったあの『ゲーム・オブ・スローンズ』のような名作ドラマになっていってほしいと、心から願っています。

 

視聴はNetflixで!!

 

 

 

 

 

 

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【高畑勲、宮崎駿の原点】アニメ『太陽の王子 ホルスの大冒険』の感想・レビュー

ホルスは強い、強いんだ!

日本が世界に誇るアニメ界の天才2人、高畑勲宮崎駿の原点と言われるこのアニメ映画『太陽の王子 ホルスの大冒険』。

完璧主義者、高畑勲が一切の妥協をせずに作り上げたこのアニメ映画は、興行的には大コケでしたが、当時高畑勲32歳、宮崎駿27歳、この若さにしてこの圧倒的なクオリティには今なお驚かされます。

現在(2024年3月時点)DMMTV(DMMプレミアム)にて視聴できますので、初視聴して、感想を書いていきたいと思います!

(若干のネタバレがあります)

太陽の王子 ホルスの大冒険

『太陽の王子 ホルスの大冒険』

1968年 日本映画 上映時間 82分

監督   :高畑勲

脚本   :深沢一男

音楽   :間宮芳生

 

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目次

 

概要

アイヌ民族の伝承を基にした戯曲『チキサニの太陽』を、原作者でもある深沢一夫自身が翻案し、舞台を「さむい北国のとおいむかし」として製作された作品である。

 

あらすじ

ある日岩男モーグに出会ったホルスは、モーグの肩に刺さっていた太陽の剣(たいようのつるぎ)を抜く。

モーグはその剣を鍛えなおした暁には、それを持つ者は太陽の王子と呼ばれるだろうと告げた。

その後父の死を看取ったホルスは、父の遺言通り、他の人間と共に生きるため、他の人間の住む陸地を目指して旅立つ。

 

登場人物

ホルス

声:大方斐紗子 キャラクターデザイン:大塚康生

本作の主人公。

手斧を巧みに操る、勇敢で真っすぐな性格の少年。

 

ヒル

声:市原悦子 キャラクターデザイン:森康二

本作のヒロイン。

グルンワルドの妹の孤独な少女。

美しい歌声で人々を魅了する能力がある。

 

グルンワルド

声:平幹二朗 キャラクターデザイン:宮崎駿、奥山玲子、林静一

氷の城に住む悪魔。

 

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感想

冒頭の戦闘シーンからこだわりが満載

さすが日本アニメ界が誇る2人の天才、高畑勲宮崎駿のコンビ作だけに、冒頭のホルスと狼の群れとの戦闘シーンから、こだわりが満載です。

まず昔のアニメ、特にスケジュール的に厳しいテレビアニメはそうですが、止め絵で口だけがパクパク動いている、といった紙芝居アニメが多いですが、このアニメ映画はとにかく動く、動く!

止め絵などまったく使わないところに、2人のこだわりを感じます。

そしてホルスの走り方は『風の谷のナウシカ』の作画に通じるところがあります。

その後すぐに登場する、岩男モーグのぬるぬる動く作画も、本当にすごい!

 

展開が非常に早い

まどろっこしい前置きなど一切なく、いきなりホルスと狼の群れとの激しい戦闘シーンからスタート。

そして今見てもすごいアニメーションの岩男モーグとの出会いからの、太陽の剣の獲得、開始約5分でオープニングクレジット。

開始約10分でホルスの旅立ちと、現在のアニメ映画と比較すると非常に展開が早いです。

上映時間82分と、時間の短さもありますが、非常に心地よいテンポの序盤となっています。

 

音楽と声優の演技には正直古さを感じる

作画のクオリティは圧倒的ですが、それと比較して、音楽と声優の演技は正直当時のテレビアニメと大差ありません。

作画のクオリティだけが飛びぬけて圧倒的に高いところから、高畑勲宮崎駿の能力が時代の先を行っていたことがはっきりとわかります。

 

キャラクターデザインが一定ではない

このアニメ映画、様々なアニメーターがキャラクターデザインに関わっているので、現在のジブリアニメなどと比較すると、様々な絵柄のキャラが混在している印象です。

初代ルパンっぽいキャラもいれば、典型的な宮崎アニメっぽいキャラも出てきて、色々ごちゃまぜな感じです。

 

もう一人の主人公、ヒル

中盤以降、主人公ホルスを差し置いて、悪魔の兄グルンワルドと人間たちの間に挟まれて苦悩するヒロイン、ヒルの出番が多くなります。

中盤からクライマックスまでは、ヒルが主役、と言っても過言ではないほどの扱いになります。

 

最初一人で戦っていたホルスが、団結し、皆で悪と立ち向かう

悪魔に立ち向かうための最強の武器「太陽の剣」。

岩男モーグの肩から抜いたその剣は、ホルス一人の力で鍛え上げることはできず、皆の力で鍛え上げ、クライマックスにおいてついにその真の姿を現します。

そしてある意味で最強のキャラ、岩男モーグホルスに加勢に入ります。

ラスボスである悪魔グルンワルドも、ホルス一人ではなく皆の力で撃退。

氷マンモスも、狼たちも、ヒルダも、全ての手下を失ったグルンワルドの意外な弱さが印象的です。

 

まとめ(半世紀以上前の作品ながら、今なお光り輝く名作)

2人の天才、高畑勲宮崎駿の原点であるこのアニメ映画『太陽の王子 ホルスの大冒険』について解説している方々はたくさんおりますが、シンプルに、この作品が面白いか否かで評価すると、『風の谷のナウシカ』や『天空の城ラピュタ』のような圧倒的な面白さはありません。

 

しかし、『風の谷のナウシカ』に登場する巨神兵の原型のような岩男モーグ、宮崎アニメのヒロインとは一味も二味も違う、この物語の真の主人公とも言える孤高のヒロイン、ヒルなど、見どころはたくさんあります。

 

粗削りながら、2人の天才が若き情熱の全てを注ぎ込んだ、公開から半世紀以上たった今なお光り輝く名作と言える作品でしょう。

 

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【宮崎駿が激怒退席?!】映画『ゲド戦記』の感想・レビュー

私は宮崎駿監督の大ファンですが、その息子である宮崎吾朗の作品は、実は今まで未視聴でした。

ジブリ作品はサブスクでは観ることができませんが、たまたま金曜ロードショーの録画が残っており、いい機会だと思い、観てみることにしました。

初号試写会の上映中に宮崎駿が怒って退席したという映像も残っている、この作品。

これまで長年ジブリ作品を見続けてきた者として、この『ゲド戦記』を、宮崎駿監督作品との比較も含め、徹底レビューしていきたいと思います!

ネタバレありのレビューです

ゲド戦記 [DVD]

ゲド戦記

2006年 日本映画 上映時間 115分

監督   :宮崎吾朗

脚本   :宮崎吾朗 丹波圭子

音楽   :寺嶋民哉

原作   :アーシュラ・K・ル=グウィン

原案   :宮崎駿シュナの旅

 

目次

 

あらすじ

衝動的に国王である父を殺してしまい、国を逃げ出したエンラッドの王子アレン。

放浪の旅の中、動物の群れに襲われていたところを、大賢人ハイタカに救われる。

アレンはハイタカと共に、世界の異変の原因を探る旅に出る。

 

登場人物

アレン/声:岡田准一

本作の主人公。エンラッドの王子。

国王である父親を殺して失踪し、放浪していたところをハイタカに命を救われ、共に旅することになる。

 

テルー/声:手島葵

顔に火傷のあとがある少女。

両親に虐待された末に捨てられた辛い過去を持つ。

 

ハイタカ/声:菅原文太

アースシーの大賢人。

真の名は「ゲド」。

アレンと共に災いの源を探る旅に出る。

 

テナー/声:風吹ジュン

ハイタカの昔なじみの女性。

テルーとハイタカ、アレンを自分の家に匿う。

 

クモ/声:田中裕子

永遠の命を求める魔法使い。

女性に見えるが男性である。

 

世界観は宮崎駿作の絵物語シュナの旅』から

この映画『ゲド戦記』の世界観は、原作の「ゲド戦記」よりも、1983年に出版された宮崎駿作の絵物語シュナの旅』を参考に作られたと言われています。

この『ゲド戦記』と宮崎駿作品の『もののけ姫』にも登場する、ヤックルの原型のような動物も登場します。

シュナの旅 (アニメージュ文庫)

感想

ジブリ作品なのにキャラの表情はエヴァっぽい

この作品、ジブリ作品で、絵柄は完全にジブリなのですが、キャラの表情は宮崎駿というよりエヴァンゲリオンっぽい病的な印象です。

同じスタジオ作でも、演出家が代わればここまで変わるか、という印象。

 

宮崎駿とは全く違う個性

序盤を観ただけで、宮崎吾朗監督は、父、宮崎駿とは全く違う個性の持ち主だということがはっきりわかります。

主人公アレン宮崎駿監督作品の主人公のような意志の強さは全く感じず、病的な「悪」の表情で戦う主人公の姿は新鮮に感じます。

 

「テルー」と「テナー」の問題

出番の多い2人の女性キャラ、「テルー」と「テナー」。

音の響きが似ているので、時々どちらが呼ばれているのかわからなくなるときがあります。

もっと聞き分けやすい名前にすればよかったのに。

 

魅力的なキャラ「ウサギ」

陰鬱とした暗いキャラが多いこの作品の中で、魅力を放つのが、『風の谷のナウシカ』に登場したクロトワによく似たキャラ「ウサギ」です。

魔法使いクモの手下の、小ずるい感じのキャラで、顔を似ていても性格はクロトワとは少し違いますが、陰鬱なこの映画に彩りをそえてくれる貴重なキャラです。

声優の香川照之の声の演技も、本当に素晴らしいですね。

 

声優は悪くないが・・・

まず、「スタジオジブリは声優に俳優を使わず、プロの声優を使うべき」という意見が常にありますが、私はジブリの俳優の起用には賛成派です。

プロの声優というのはアニメっぽい演技に特化しているので、どうしてもリアルではない、アニメっぽい演技になってしまい、それはジブリが目指している世界観とは異なるものだと思うからです。

さて、その俳優たちの演技ですが、この『ゲド戦記』ではどうか。

全体的に悪くありませんが、ヒロイン、テルー役の手島葵だけは「下手だな」と思いました。

もっとも彼女は歌手であり、声優どころか俳優ですらないので、仕方ないのかもしれませんが。

 

アクションシーンに躍動感がない

この映画、そもそもアクションシーンが少ないですが、その数少ないアクションシーンも、宮崎駿監督作品のような、観ている者をワクワクさせるような躍動感がなく、非常にあっさりとした描写になってしまっています。

同じスタッフでも、演出家が代わるとここまで変わってしまうのか、と思いますね。

 

ひたすら弱く、受動的な主人公アレン

この映画における主人公アレンは、自分の意志というものが見当たらず、ひたすら周囲に流されるままに動き、ひたすら弱いまま、物語は続いていきます。

私は原作は未読ですので、原作の主人公がこんなキャラなのかはわかりませんが、宮崎駿が手掛けたなら、絶対にこんなキャラにはならないはず。

最後に覚醒して、強くなったように見えますが、それもヒロイン、テルーに尻を叩かれて叩かれて、ようやく、といった印象です。

この周囲に流されるままに生きる受動的な主人公アレンの姿は、監督である宮崎吾朗の人生そのものなのでしょうか?

 

スケールが小さすぎる物語

この映画、最初の30分ほどは新たな土地に向かっての旅が描かれ、これからどんな冒険が待ち構えていいるのだろう、というワクワク感がありますが、それ以降はひたすらスケールの小さい話になっていきます。

後半の登場人物は、悪役であるクモの名もなき手下たちを含めても10人程度。

その10人でひたすらワーワーやってるだけのお話です。

 

魔法の剣の意味があまりない

この映画の序盤から登場し、「鞘から抜けない剣」として、物語を先に進めるための需要なキーとしての役割を担う重要なアイテムである「魔法の剣」。

クライマックスで主人公アレンはずっと抜けなかったその剣をついに鞘から抜くことに成功しますが、その剣の活躍はクモの手下の剣を折り、クモの片腕を切り落とした、だけ!

抜くまでひたすらじらしまくった割には、しょぼすぎる活躍です。

クモを倒したのもその剣ではなく、結局はドラゴン化したテルーです。

 

なぜテルーが覚醒してドラゴンになったのか、説明も、きっかけも、前兆も、何もない

クライマックスでテルーが突然覚醒してドラゴン化しますが、それに対して何らの説明も、きっかけも、そしてテルーが竜の一族だという伏線も、前兆も何もありません。

あまりにも唐突すぎる展開でした。

あれをやるなら中盤の日常パートのところで、アレンがテルーに竜の姿の幻覚を見る、などの伏線を入れるべきで、そういうものが全くないのは、ラストの展開に困って土壇場で思いついた設定としか思えません。

 

宮崎吾朗作品にヒロインは必要ない?

この映画を観て、主人公アレンとヒロインのテルーの顔や性格が似すぎだと思いませんでしたか?

宮崎駿作品におけるヒロインの存在は、宮崎駿自身が守りたい、守るべきだと思っている理想の女性像であるのに対し、この映画のヒロイン、テルーは、宮崎吾朗自身の分身のように見えます。

つまりアレンテルー宮崎吾朗自身を2つに割って生み出した同じキャラクターであり、同一人物だということもできます。

アレンテルーの関係が恋愛に発展する感じをまるで受けなかったのも、それで納得できます。

 

ゲド戦記』は宮崎吾朗の人生そのもの?

あまりにも立派な、人々に尊敬される国王である父親は、完全に宮崎吾朗の父、宮崎駿そのものでしょう。

その父を殺して王位を継ぐことを拒否し、逃げ出した弱い主人公アレンは宮崎吾朗そのもの。

父殺しは宮崎吾朗の願望。

彼を優しく導くハイタカのモデルはプロデューサーの鈴木敏夫でしょうか。

主人公でありながらひたすら周囲に流され流され、やっと覚醒して剣を抜いたと思ったら、美味しいところはヒロインにかっさらわれる主人公アレンの姿は、宮崎吾朗の人生そのものとしか思えません。

 

なぜ宮崎駿は怒って退席したのか?

現在もYoutubeで観ることができますが、宮崎駿がこの「ゲド戦記」の初号試写会で、不機嫌になって途中退席してタバコを吸いに行ってまた戻る、という映像が残っています。

なぜ宮崎駿はこの映画を観て、不機嫌になったのでしょうか?

主人公が根本的に弱い

主人公アレンは弱い人間です。

弱さにも二種類あって、一つは今弱いけれども強くなろうとしているという、状態としての弱さ。

そしてもう一つは強くなろうという意志もない、根本的な弱さ。

アレンは後者にあたるキャラで、宮崎駿は主人公アレンの根本的な弱さに、自分の息子の姿を見て、不機嫌になったのだと思われます。

上映後の宮崎駿の言葉

ゲド戦記』初号試写会上映後の宮崎駿の言葉が印象的です。

俺は自分の子供を見てたよ

大人になってない

それだけ

 

まとめ(観る価値は、ある!)

結構駄作という評価も多いこの映画『ゲド戦記』ですが、初めて観た感想は、たしかに完成度は低いが、そこまでつまらないわけではなく、スタッフがほぼ同じでも、演出家によってここまで変わるのだ、ということを知ることができる、という意味で、観る価値のある作品だという評価です。

主人公アレンのキャラクターはパズーというよりもエヴァ碇シンジに近く、ジブリエヴァをやったらこうなるのだ、という少し新鮮な驚きがありました。

それにしても、日本でジブリ作品を観るにはテレビの放送を待つか、あるいはDVD購入かレンタル、という前時代的な状態が続いていますが、いい加減配信で観れるようになってほしいですよね~。

 

 

 

 

 

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【カオスすぎ!】映画『エブリシングエブリウェアオールアットワンス』の感想・レビュー

ようこそ、最先端のカオスへ

このキャッチコピーの通り、とってもカオスなこの映画。

アカデミー賞で7部門受賞して、その年の主役になったこの映画。

しかし一般レビューでは賛否両論で、悪評も多いこの映画。

観てみたら本当にカオスで、そしてエキセントリックだったこの映画、ネタバレなしで感想とレビューを書いていきたいと思います!

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(字幕/吹替)

『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』

2022年 アメリカ映画 原題:Everything Everywhere All at Once

上映時間 140分

監督   :ダニエル・クワン ダニエル・シャイナート

脚本   :ダニエル・クワン ダニエル・シャイナート

音楽   :サン・ラックス

 

目次

 

あらすじ

中国からアメリカに移住してきて、悪戦苦闘しながらコインランドリーを経営する女性、エブリン

確定申告の日、エブリンは夫ウェイモンドに乗り移った「別の宇宙の夫」から、全宇宙の命運を託されてしまう。

様々な「他の宇宙」に存在する「もしかしたらこうなっていたかもしれない自分」に転移し続けながら、エブリンは自分の娘の姿をしたマルチバースの脅威、ジョブ・トゥパキと戦うこととなる。

 

登場人物

エヴリン・ワン・クワン/ミシェル・ヨー

本作の主人公。

コインランドリーを経営する中年女性。

中国生まれでアメリカに移住してきた人間なので、英語はあまり上手くはない。

娘のジョイの同性愛に反対している。

 

ジョイ・ワン(ジョブ・トゥパキ)/ステファニー・スー

エヴリンウェイモンドの娘。

女性の恋人、ベッキーがいる。

他のバースにおいてマルチバースの脅威となる、「ジョブ・トゥパキ」としてエヴリンの前に立ちはだかる。

 

ウェイモンド・ワン/キー・ホイ・クァン

エヴリンの夫。

優しくコミュ力ある男性だが、頼りにはならない。

 

マルチバースとは

この映画はいわゆるマルチバースものですが、マルチバースという聞きなれない言葉はどういう意味かというと、

自分のいる世界とは別に、他の宇宙・世界が複数存在するという科学理論

のことです。

この映画の中では、冒頭から登場するコインランドリーの経営者としてのエヴリンの他に、他の宇宙のエヴリンとして、カンフーの達人、歌手、シェフなど、様々な属性を持つエヴリンが存在し、それらの別宇宙を頻繁に行き来するので、観ていてちょっとわけがわからなくなることもあります。

 

第95回アカデミー賞で7部門受賞

この作品は第95回アカデミー賞

の7部門受賞しました。

主人公のエブリンを演じた女優、ミシェル・ヨーが主演女優賞を受賞しましたが、アジア系俳優が主演女優賞を獲得するのは史上初の快挙です。

 

感想

中国語と英語が交じり合う不思議な会話

冒頭から中国語と英語が交じり合う、不思議な会話シーン。

日本人から見るとかなり奇妙ですが、アメリカに住む中国系移民の人にとっては当たり前の光景なのでしょう。

中国から移住したエヴリンウェイモンドの夫婦と違い、アメリカ生まれの彼らの娘のジョイは、中国語よりも英語のほうが上手いようです。

 

マイノリティとしての苦悩

序盤、アメリカ社会において、黒人、ヒスパニック以下のマイノリティであるアジア系であることの苦悩が描かれています。

冒頭、コインランドリーを経営するエヴリンの姿は、あくせくしているだけで、少しも楽しそうではありません。

 

「あの」キー・ホイ・クァンが出演

映画ファンなら誰もが見ているであろう名作、『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』と『グーニーズ』に出演していた、あの魅力的なアジア系の少年、キー・ホイ・クァンが久しぶりに映画俳優に復帰。

冒険活劇でスクリーンを駆け回っていたあの少年が、こんな普通っぽいおじさんに、と思うと感慨深い気持ちになりますね~。

彼は童顔で、よく見ると少年の頃の面影がしっかり残っていますね!

インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説 (字幕版)

グーニーズ (字幕版)

 

悪趣味なMVを延々と見せられている感じ

この映画、ストーリー性があまりなく、せわしなく場面が移り変わり、奇抜なシーンが連続するので、ミュージックビデオを延々と見せられている気分になります。

その上、下ネタが多いので、MVはMVでも悪趣味なMV、という印象です。

 

カンフー要素は少ない

この映画はマルチバースもののSFであると同時に、カンフーアクション映画でもありますが、カンフー要素はかなり少ない印象です。

前半にキー・ホイ・クァン演じるウェイモンドが、ウエストポーチをヌンチャクのように使って戦うカンフーアクションシーンがありますが、カンフーアクションとしてはあのシーンがピークではないでしょうか。

ミシェル・ヨーも60歳であれだけ動けるのはすごいですが、目を見張るようなアクションシーンはありませんでした。

 

壮大なスケールの親子喧嘩

この映画のストーリーを簡単に、本当に簡単に説明すると、

娘の同性愛が認められない母親と、認めてほしい娘との闘い

これをマルチバースで壮大なスケールでやっているだけです。

何せラスボスが娘なのですから。

 

君たちはどう生きるか』との共通点も?

第96回アカデミー賞において長編アニメーション賞を受賞した、宮崎駿監督作品『君たちはどう生きるか』。

この作品もストーリー性が薄く、主人公が異世界に行ってからは「宮崎駿監督の夢の世界を延々と見せられているようだ」という感想も多くありましたが、この『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』も同系統の作品だとは言えないでしょうか?

とりとめのない映像が延々と続く感じは、主人公エブリンの脳内世界を延々と見せられているような感覚です。

 

この映画で1番痛快だったシーン

主人公エブリンが、監察官の女性ディアドラの顔面をパンチしたところ!

 

まとめ

さて、第95回アカデミー賞の主役だったこの作品。

シンプルに、面白かったか否かでいうと、面白くなかったです。

まとめれば30分で済む、確定申告+親子喧嘩の話を、壮大なスケールで、140分に引き延ばしているという印象でした。

しかしこれは日本に住む日本人の私には刺さらなかったという話で、アメリカに住むマイノリティやZ世代には刺さりまくったようで、興行収入的にも大成功しています。

エキセントリックな映像が延々と続くこの映画、いわゆる王道的な面白い映画を求めている人には正直全くおすすめしません。

しかし独創的な映像、斬新な演出を求めている人なら、もしかしたら刺さる映画になるかもしれませんね

 

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【破天荒少女の大冒険!】Netflixドラマ『ウェンズデー』の感想・レビュー

2022年に配信されたNetflixオリジナルドラマで、あの超人気ドラマ『ストレンジャーシングス:シーズン4』の1週間の視聴時間記録を抜いたことで話題になったドラマ、『ウェンズデー』。

アダムスファミリーの破天荒な長女が学園に巻き起こす大騒動!

コメディであり、ホラー、ミステリー、そして学園青春ものの要素も持つこのドラマ、全話観たら超面白かったので、その面白さを余すところなくレビュー、解説していきたいと思います!

(ネタバレなしのレビューです)

Wednesday (Original Soundtrack from the Netflix Series)

『ウェンズデー』

2022年 アメリカ作品 原題:Wednesday

全8話 各話約50分

推奨年齢 13歳以上

監督   :ティム・バートン ガンディア・モンテーロ ジェームズ・マーシャル

脚本   :アルフレッド・ガフ マイルズ・ミラー ケイラ・アルバート エイプリル・ブレア マット・ランバート

 

目次

 

概要

Netflixオリジナルドラマ『ウェンズデー』とは、アメリカの漫画『アダムスファミリー』のキャラクター、ウェンズデー・アダムスを主人公として制作された、『アダムスファミリー』のスピンオフドラマである。

 

あらすじ

弟をいじめられたことに対する仕返しに、プールにピラニアを放ったことで、学校を退学になったウェンズデー・アダムス

彼女の両親は、自身たちが通っていて、知り合うきっかけにもなった「異常な能力を持つ」のけ者たちを集めた学校「ネヴァーモア学園」にウェンズデー編入させる。

両親に反発し、学園からの脱走を試みるウェンズデーだったが、謎のモンスターによる殺人事件を目撃したことで、その事件を自ら調査することを決意する。

 

登場人物

ウェンズデー・アダムス/ジェナ・オルテガ

本作の主人公。

幻視能力を持つ少女。

頭脳明晰で多彩な特技を持つが、感情を表に出すことはほとんどない。

色彩アレルギーのため、黒と白のものしか身に付けない。

無表情から放たれる、皮肉の効いた言動が笑いを誘う破天荒少女。

 

ハンド/ビクター・ドロバントゥ

ウェンズデーの監視役として両親が送り込んだ「手」のクリーチャー。

英語では「Thing」。

言葉を発することはできないが、ジェスチャーで会話することができる。

ウェンズデーの僕として、本作でも大活躍する。

 

イーニッド/エマ・マイヤーズ

ウェンズデーのルームメイト。

ウェンズデーとは対照的に、明るく表情豊かな少女であり、鮮やかな色彩を好む。

種族は人狼だが、爪だけしか人狼化できないことに悩んでいる。

 

ビアンカ/ジョイ・サンデー

ネヴァーモア学園の女王的存在の少女。

種族はセイレーン族。

黒い肌に青い瞳の持ち主。

ウェンズデーに対抗意識を燃やしている。

 

タイラー/ハンター・ドゥーハン

保安官の息子で、街のカフェの店員。

ウェンズデーに思いを寄せる男性の一人。

ハンサムで積極的な性格だが、不器用なところがあり、過去に暴力事件を起こしたことがある。

 

ゼイヴィア/パーシー・ハインズ・ホワイト

ネヴァーモア学園の生徒の少年。

自分の絵に命を吹き込む能力を持っている。

ウェンズデーに思いを寄せる男性の一人。

ビアンカの元カレ。

 

ユージーン/ムーサ・モスタファ

ネヴァーモア学園の生徒で、友達のいないいわゆる負け組男子。

養蜂クラブの会長で、養蜂に興味を持ったウェンズデーと仲良くなる。

目立たない生徒だが、後半、意外な活躍を見せる。

 

ラリッサ・ウィームス/グウェンドリン・クリスティ

ネヴァーモア学園の校長。

ウェンズデーの両親とはネヴァーモア学園の同級生だった。

自分の姿を自在に変える能力を持つシェイプシフター。

 

マリリン・ソーンヒルクリスティーナ・リッチ

ネヴァーモア学園の植物学教師で、オフィーリア寮の寮母。

 

ウェンズデーの特技

多彩な特技を持つ主人公ウェンズデーの主な特技はこちら。

他にも隠し持った特技があるかもしれませんよ!

  • 幻視能力
  • フェンシング
  • チェロ
  • アーチェリー
  • 格闘技
  • ダンス
  • 語学

 

感想

基本はコメディ

このドラマ、ホラーっぽいビジュアルですが、基本はコメディです。

主人公ウェンズデーの感情を見せない姿から発せられる、破天荒な言動が笑いの源となっています。

そして意外と自己主張が強い、お茶目なクリーチャーの「ハンド」も、登場するたびに笑いを誘う存在です。

 

学園青春ものでもある

ドラマ「ウェンズデー」に一貫するテーマは、謎のモンスターによる殺人事件を追うミステリーですが、このドラマの楽しみはそこだけではありません。

主人公ウェンズデーやルームメイトのイーニッドの恋愛。

各エピソードに盛り込まれている課外授業やダンスパーティーなどのイベントなど。

友情、恋愛、確執からの仲直りなど、学園青春もののおなじみ要素がたくさんつまった楽しいドラマです。

 

ウェンズデーは「家政婦のミタ」のミタさん的キャラ

このドラマ「ウェンズデー」を観ていて思い出すのは、2011年に日本で大ヒットしたドラマ「家政婦のミタ」です。

感情がないかのごとく無表情で、何をやらせても超優秀な姿など、主人公ウェンズデーのキャラはミタさんと被っています。

ミタさんとの違いは、ミタさんは家政婦として雇い主の指示を冷徹かつ破天荒にこなす、というキャラでしたが、ウェンズデーは誰の指図も受けない奔放な孤高キャラ、というところですね。

 

ゲーム・オブ・スローンズ』のあの人が出ている!

ネヴァーモア学園の校長役の女優。

どこかで見た顔だな、と思っていたら、大ヒットドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』で屈強の女騎士ブライエニーを演じていたグウェンドリン・クリスティーさんじゃないですか!

ブライエニー役もよかったですが、このドラマでの校長役も、とても存在感があり、似合ってますね!

 

元ウェンズデーのクリスティーナ・リッチが出演!

1991年公開の映画『アダムスファミリー』でウェンズデーを演じた女優、クリスティーナ・リッチがこのドラマ『ウェンズデー』ではネヴァーモア学園の教師、マリリン・ソーンヒルとして出演しています。

私はこの映画版「アダムスファミリー」は未視聴ですが、彼女の代表作の一つ「バッファロー'66」でのキュートな魅力はかなり記憶に残っています。

彼女は現在44歳ですが、この年齢になってもキュートな魅力は変わりませんね!

 

親友との仲たがいからの友情復活という王道展開

青春ものの王道展開に、親友と仲たがいしてから仲直りし、友情が更に深まる、というシナリオがありますが、このドラマもそれ、やってます。

でもね、いいですよやっぱり、王道は!

変に奇をてらうよりずっといいです。

最終話を観たときは「まさかウェンズデーの○○嫌いが伏線になっていたとは!」と、驚きと感動がありました。

 

後半になるにつれて人間らしくなっていくウェンズデーの姿に感動

ドラマの前半はまるで感情がないかのように見えるウェンズデーですが、後半になるにつれて、次第に人間らしい感情を表に出すようになっていく、ウェンズデーの姿が感動的です。

ウェンズデーは感情がないのではなく、しっかりと人間らしい感情を持ち合わせている、ということが次第にわかっていく演出がいいんですよね~。

 

ティム・バートンが制作に参加

シザーハンズ」、「チャーリーとチョコレート工場」などの個性的な映画作品で有名なティム・バートンが監督・エグゼクティブプロデューサーとしてこの作品に参加しています。

本作では全8話中4話をティム・バートンが監督しています(ティム・バートンが監督したのは1話~4話)。

 

シーズン2の制作が決定

超人気ドラマ『ウェンズデー』、シーズン2の制作はすでに決定しています。

Deadlineによるとシーズン2の撮影は、2024年4月アイルランドで開始予定とのこと(シーズン1はルーマニアでの撮影)。

内容はティーンのロマンスよりもホラーに重点を置いたものになり、アダムスファミリーのメンバーがもっと登場することになる、とのこと。

配信開始は2025年以降になると思われますが、楽しみですね。

シーズン2の予想動画(Netflix公式)

ドラマ『ウェンズデー』のシーズン2はどういう展開になるのか、主演のジェナ・オルテガ他主要キャスト3名があれこれ予想する動画です。

シーズン1の決定的なネタバレがあるので、未視聴の方は注意!

それにしても素顔のジェナちゃんはホントにカワイイですね。

 

まとめ

ホラー的な世界観の中で、その実態はコメディであり、ミステリーであり、学園青春ものでもある、というこのドラマ『ウェンズデー』。

よく練られたシナリオの中、無表情な破天荒少女ウェンズデーの成長がしっかり描かれ、一つの感動ドラマでもあり、超面白かったです!

主人公ウェンズデーの魅力はもちろん、表情豊かな親友イーニッド、ウェンズデーのライバル、ビアンカ、地味だけど魅力的なユージーなど、誰もが愛すべきネヴァーモア学園の生徒の誰かを好きになってしまうはず。

シーズン2の配信も、今から楽しみです!

 

視聴はNetflixで!

 

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Wednesday (Original Soundtrack from the Netflix Series)

【ガッキーVSガッキー】映画『正欲』の感想・レビュー

ガッキーこと新垣結衣が、未来に希望を持てない陰気なキャラを演じたことで話題になった、朝井リョウの大ヒット小説を映画化したこの映画『正欲』。

世間に認知すらされないマイノリティの中のマイノリティの生きづらさを描いたこの作品ですが、この作品の中では「普通」というキーワードが多用されます。

私たちは普段何気に使っている言葉ですが、「普通」とは何なのか?

そして『正欲』というタイトルの意味とは?

(ネタバレありのレビューです)

正欲

『正欲』

2023年 日本映画 上映時間 134分

監督   :岸善幸

脚本   :港岳彦

原作   :朝井リョウ

 

目次

 

あらすじ

「普通」の生き方ができない人間を毛嫌いする検事の寺井啓喜

「普通」の性的欲求を抱くことができない「水フェチ」の桐生夏月佐々木佳道

そして同じ大学に通う男性恐怖症の神戸八重子とダンサーの諸橋大也

本来交わるはずのなかった5人の人生が、ある事件をきっかけに、交錯していく。

 

登場人物

寺井啓喜/稲垣吾郎

横浜地方検察庁に勤務する検事。

不登校児の10歳の息子がいる。

「普通」信者のような人物。

「普通」ではない人達を「世の中のバグ」と呼び、毛嫌いしている。

 

桐生夏月/新垣結衣

広島県イオンモールの寝具店の販売員。

両親と実家暮らしをしている。

異性愛者でも同性愛者でもない、「水」に性的欲求を感じる「水フェチ」。

 

佐々木佳道/磯村勇斗

高良食品営業部商品開発課に勤務する会社員だったが、両親の交通事故死をきっかけに会社を辞め、故郷の広島県に戻ってくる。

桐生夏月とは高校の同級生だった。

桐生と同じ「水フェチ」。

 

神戸八重子/東野絢香

金沢八景大学に通う大学3年生。

ダイバーシティフェス」を企画・運営する。

過去のトラウマが原因で、男性を苦手としている。

 

諸橋大也/佐藤寛太

金沢八景大学に通う大学3年生。

ダンスサークル「スペード」に所属している。

昨年の学祭のミスターコンテストで準ミスターに選ばれるほどのイケメンだが、かなり冷めた性格をしている。

 

感想

冒頭、ガッキーの自慰行為を連想させるシーン

オープニングでは磯村勇斗演じる佐々木佳道と、ガッキーこと新垣結衣演じる桐生夏月が登場しますが、どちらも目が死んでいます。

特にガッキーの死んだ目は、これまでコメディエンヌとしての彼女しか見てこなかった私にとっては、ゾクッとさせられる魅力がありました。

 

寿司を食べた後、自室に戻ってYoutubeでよくある水のせせらぎの動画を見たあと、部屋を暗くして自慰行為にふける桐生夏月

それほど露骨には描かれませんが、明らかに自慰行為を連想させるシーンです。

そして彼女の心象風景なのか、部屋が水に浸かっていく不思議な映像。

 

そして目を開いた彼女の顔は、もはや完全に私たちが知っているガッキーではありません。

さすがプロの女優であります。

 

稲垣吾郎の検事役がかなり良い

本作では稲垣吾郎は検事役ですが、かなり似合っています。

こんなイケメンの検事はなかなかいないでしょうが、彼が演じる、自分の周りのもの全てを冷めた目で見ている(家族すらも)ような感じは、稲垣吾郎の雰囲気にかなり合っています。

 

特筆すべき東野絢香の演技力

過去のトラウマによって男性恐怖症になってしまった女性、神戸八重子を演じた東野絢香

男性のことを気持ち悪いと思っているのに性欲はしっかりあり、男性に惹かれてしまうというジレンマに苦しんでいる女性ですが、「水フェチ」というマイノリティの中のマイノリティの生きづらさに苦しむ他の登場人物たちと比べると、中途半端な立ち位置のキャラクター、神戸八重子を見事に演じ切っています。

中途半端な立ち位置にいながら、マイノリティの人達の苦しみをわかった気になって、彼等をそこから助け出そうとする人間のウザさというものを見事に演じた彼女は、これから様々な映画やドラマに引っ張りだこになるはず。

 

奇妙な疑似セックスシーン

お互い「水フェチ」であることから、普通ではない者同士助け合って生きていこう、ということで、恋愛感情がないまま疑似夫婦として共同生活を始めるガッキー演じる桐生夏月磯村勇斗演じる佐々木佳道

お互いセックスの経験も、普通の性欲もないまま、「こんな感じかな?」「普通の人はこうやるらしいよ」などと言い合って疑似セックスを試みる二人の姿は、本当に奇妙です。

しかし奇妙に見えるというのはまさに我々異性愛者という性的マジョリティの視点であって、彼等性的マイノリティの視点から見ると、我々が行っている「普通」のセックスこそ奇妙で滑稽に見える・・・。

と考えると、この映画、本当に考えさせられる作品ですね。

 

寺井検事の悪役扱いに感じる違和感

「普通」ではないマイノリティの人達に、「普通」を押し付ける悪い奴、という扱いの稲垣吾郎演じる寺井検事。

彼は自分の息子が「不登校児」というマイノリティの立場にいて、さらに「Youtuber」などという得体の知れない存在になろうとしていることに不快感を覚え、なんとか自分の息子を「普通」という名のレールに乗せようとしますが・・・。

 

「中年成人男性」という、典型的な日本社会のマジョリティ代表で、しかも「検事」というエリート。

しかも頑なにマイノリティの性癖を認めようとしない、とこの映画では完全に悪役扱いですが、しかしこの寺井検事に共感できる部分があったのは私だけではないはず。

 

得体の知れない若い男に自分の家に出入りされる不快感

寺井検事の奥さんはとにかく自分の息子が元気になることしか考えず、寺井検事の気持ちを全く考えていないと思われます。

得体の知れない若い男に自分の家に出入りされる夫の不快感にも気づいていない。

後半に「どうして分からないのよ~!」などと言って泣き崩れて、息子が母親を守って「お母さんをいじめるな!」と言う、一見いいシーンがありましたが、この人も夫の気持ちを分かろうとせず、自分と息子のことしか考えていないので、お互い様ではないでしょうか。

 

終盤、物語は思わぬ展開に

全く違う世界に生きていたメインキャラクターたちが、次第に出会い、関わりあっていくストーリー。

そして岩瀬亮演じる矢田部陽平というキャラが物語に加わったとき、物語は思わぬ方向に展開していきます。

 

クライマックスはガッキー対決へ

クライマックスは取調室での稲垣吾郎VS新垣結衣のガッキー対決へ。

「普通」代表の寺井啓喜と「普通」に生きられない人間代表の桐生夏月が静かな激論をしますが、特筆すべきは佐々木佳道との共同生活を始めて、活き活きとし始めてきた桐生の顔が、また死んだ目に戻っていることです。

ここでの新垣結衣の怖い目は必見です。

 

「正欲」タイトルの意味とは?

原作者:朝井リョウの言葉を引用します。

「〈正欲〉という題名は執筆前から決まっていました。欲はすごく個人的なことで、正はすごくパブリックなイメージの文字。そのアンバランスさが居心地の悪さを醸し出してくれるかなと。性欲はずっと書きたいテーマだったのですが、それをテーマに据えたとして説得力が出る自分なのかと、ずっと躊躇していました」

「ananNEWS」より引用

 

まとめ(マイノリティの中のマイノリティの生きづらさ)

この作品『正欲』は、性的マイノリティとして世間に認知されている、いわゆる「LGBTQ」ですらない、さらに少数派の、もはや性的対象が人間ですらない、性的欲求を感じる対象が「水」、という「マイノリティ中のマイノリティ」の生きづらさをテーマとした作品です。

かなり深いテーマを扱った作品ですが、私個人の感想は「う~ん」という感じです。

世の中の存在することすら認知されていない、マイノリティの中のマイノリティの存在を認知させてくれたことは気づきになりましたが、そこに感動があったかと問われれば、その答えは否です。

 

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正欲

 

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原作小説

正欲(新潮文庫)