アニメ好きなら一度は耳にしたことがあるであろう、押井守監督作品のこのアニメ映画。
日本アニメの金字塔的な名作だということは以前から耳にしていましたが、観る機会はなかったこの作品。
この度アマゾンプライムビデオで視聴してみましたので、感想を書いてみたいと思います!
(ネタバレなしのレビューです)
1984年 日本映画 上映時間 97分
原作 :高橋留美子
監督・脚本:押井守
(キャスト)
ラム :平野文
面堂終太郎 :神谷明
テン :杉山佳寿子
三宅しのぶ :島津冴子
サクラ :鷲尾真知子
藤波竜之介 :田中真弓
目次
あらすじ
「浦島太郎は竜宮城で夢のような日々を送り、懐かしい故郷に帰ってみれば、そこではすでに数百年の歳月が流れていた。もし、亀を助けたのが、浦島太郎一人ではなく、村人全員だったら、村人全員が竜宮城へ行ったとしたら、どうだったでしょうねえ?」
あたるの通う友引高校は文化祭の本番を明日にひかえ、その準備に大忙し。
やがて彼らは文化祭の前日を、延々と繰り返していることに気づく。
面堂終太郎が自家用ハリアーを持ち出し、空から友引町を見てみると、友引町を甲羅にのせ、宇宙のような空間を飛ぶ巨大な亀の姿があった。
感想
「うる星やつら」の世界観にそぐわぬ不穏な音楽
この映画を観ていてすぐに気づくのは、「うる星やつら」という本来ドタバタラブコメである作品にそぐわぬ、時折流れるサスペンスのような不穏な音楽です。
画面上は「うる星やつら」らしくドタバタ劇をやっていながら、時折挿入される不穏ななカットと音楽で、この映画がただの「うる星やつら」ではない、ということを予感させます。
繰り返される竜宮城の話
この映画の中で何度も何度も繰り返される、
「竜宮城に行ったのが、浦島太郎一人ではなく、村人全員だったら」
という話。
「時間」というものは人間が勝手に作った「概念」で、はたしてそれに本当に意味があるのか?
というのが、この作品のテーマのようです。
「うる星やつら」の世界を舞台に作った芸術・実験映画
この映画を観た感想は、これは押井守監督が、「うる星やつら」の世界を舞台に自分のやりたいことを追求して作った芸術・実験映画だな、ということです。
面白いか、と聞かれれば、正直あまり面白くない、と答えるでしょう。
原作者が怒るのも当然
この映画を観た原作者の高橋留美子は憤り、「これは押井さんのうる星やつらです」と発言したそうですが、自分の生み出した作品の設定だけを借り、原作のテーマなどを無視して監督の好き放題やられたのだから、怒るのは当然だと思います。
例えるならば「ドラえもん」の設定だけをそのままに、中身はジャン・リュック・ゴダールの映画のようなことをやったようなもので、そんな映画がはたして面白いでしょうか。
監督の自己満足だとしか思えません。
宮崎駿監督の『ルパン三世・カリオストロの城』との比較
原作の設定だけを借りて、監督のやりたい放題やった映画、と言えば、宮崎駿監督作品の「ルパン三世・カリオストロの城」もそうかもしれません。
あの映画は原作者モンキーパンチの生み出したルパン三世像を完全に無視し、ルパン三世のキャラクターを使って作った宮崎アニメですので、この「ビューティフルドリーマー」と同じと言えば同じですが、この監督が原作を無視してやりたい放題やった2つの映画の違いは、
「カリオストロの城」は面白い。
「ビューティフルドリーマー」は面白くない。
ここだけだと思いますが、面白いかどうか、というのは、視聴者としては最も重視するポイントではないでしょうか。
まとめ
さて、日本アニメの金字塔とも呼ばれ、その後の数々の名作アニメに影響を与えたと言われる本作。
鑑賞してみましたが、私の感想はイマイチでした。
しかし表面のドタバタコメディの内部に流れ続ける哲学的なテーマ。
監督の「何かとんでもないものを作ってやろう」という強い意志。
それは感じることはできましたので、観る価値はある作品かな、とは思います。
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