「They are coming.(彼らは来る)」
あの大ヒットドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』のスタッフたちが再結集して作り上げられた、世界中で超話題のこのSFドラマ『三体』。
静かに始まり、そして次第に圧倒的なスケールへと広がっていくこの物語は絶対に見逃せない!
『ゲーム・オブ・スローンズ』との関連、比較も含めて、感想、レビューを書いていきたいと思います!
(ネタバレなしのレビューです)
『三体』
2024年 Netflixオリジナルドラマ 全8話 各話約55分
推奨年齢 16歳以上
制作 :デビッド・ベニオフ D・B・ワイス アレクサンダー・ウー
原作 :リウ・ツーシン
音楽 :ラミン・ジャヴァディ
目次
あらすじ
1960年代の中国。
文化大革命によって父を殺され、絶望した天体物理学者イェ・ウェンジェが下した決断が、何十年もの時を経て、現代に重大な影響を及ぼす。
科学者たちの謎の連続死。
そして科学者たちに送られてきた謎のデバイス、それを起動すると始まる、謎のVRゲーム『三体』の意味とは?
登場人物
オギー・サラザール/エイザ・ゴンザレス
オックスフォードの5人の1人の女性。
ナノテクノロジーの専門家であり、ナノテクノロジー研究所のCSO(最高戦略責任者)。
ソールとは、恋人のような、そうでないような、微妙な関係である。
ある日、視界に謎のカウントダウンが見え始める。
ダーシー/ベネディクト・ウォン
イングランドの諜報捜査官の男性。
科学者の謎の連続死事件を捜査する。
ジャック・ルーニー/ジョン・ブラッドリー
オックスフォードの5人の1人の男性。
謎のVRゲーム『三体』にのめり込んでいく。
ジン・チェン/ジェス・ホン
オックスフォードの5人の1人の女性。
天才的理論物理学者。
インド系の軍人の恋人がいる。
謎のVRゲーム『三体』にのめり込んでいく。
ウィル・ダウニング/アレックス・シャープ
オックスフォードの5人の1人の男性。
教師として物理学を教えている。
末期の膵臓ガンで余命数ヵ月の宣告を受けている。
ジンに思いを寄せているが、ずっと言い出せずにいる。
ソール・デュランド/ジョヴァン・アデポ
オックスフォードの5人の1人の男性。
物理学研究所で助手を務める。
オギーとの微妙な関係を続けながら、不特定多数の女性と夜を共にしている。
イェ・ウェンジェ/ロザリンド・チャオ、ジーン・チェン(青年期)
全ての発端となった天体物理学者の中国人女性。
トマス・ウェイド/リーアム・カニンガム
諜報機関のリーダーの男性。
惑星防衛の責任者でもあり、目的のためには手段を選ばない非情な性格。
『ゲーム・オブ・スローンズ』との関連
このドラマ『三体』は大ヒットドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』との関わりが深く、まず製作総指揮は『ゲーム・オブ・スローンズ』を手掛けたデヴィッド・ベニオフとD・B・ワイスのコンビ。
音楽は『ゲーム・オブ・スローンズ』のラミン・ジャヴァディ。
『ゲーム・オブ・スローンズ』から再出演のキャストは5人。
まずはジョン・スノウの親友、サム役を演じたジョン・ブラッドリー。
メインキャストの1人で、とても重要な役柄です。
もう一人のメインキャストは玉葱の騎士ダヴォスを演じたリーアム・カニンガム。
彼が『三体』で演じるトマス・ウェイドというキャラクターは諜報機関のリーダーで、かつ惑星防衛の責任者でもある重要な役柄で、出番もとても多いです。
他にはハイ・スパロー役を演じたジョナサン・プライス。
「鉄の銀行」のティコ・ネストリスを演じたマーク・ゲイティスが出演しています。
原作小説について
このドラマの原作小説は中国人SF作家であるリウ・ツーシン作の『三体』。
SF小説界最高の賞である、ヒューゴー賞をアジア人作家として初めて受賞。
2019年時点で全世界累計発行部数は2900万部を記録しており、20ヵ国以上の言語で翻訳されている。
Meta社のCEOであるマーク・ザッカーバーグ、映画監督のジェームズ・キャメロン、そしてアメリカ合衆国元大統領のバラク・オバマが絶賛したことでも知られている。
感想
理論は難解だが、ストーリーは意外にわかりやすい
このドラマには極めて難解な物理学の理論などが登場しますが、このドラマ自体のストーリーは、意外なほどシンプルです。
このドラマのストーリーを極めてわかりやすく説明すると、
何十年か前に中国人の物理学者イェ・ウェンジェが地球の文明に絶望し、地球外知的生命体に対しメッセージを送る。
↓
地球外知的生命体がそのメッセージを受け取り、自分たちの星を捨て、地球に移住するために400年かけて地球を目指して旅立つ。
↓
地球外知的生命体からのメッセージが地球に届き、地球は大混乱に。
大体こんな感じです。
様々な人種が活躍する、新時代のSFドラマ
ひと昔前までのSF映像作品と言えば、登場人物はほぼ全員が白人、という感じでしたが、この『三体』は原作がアジア人作家によるものということもあり、アジア系俳優を中心に、白人、ヒスパニック、黒人と、あらゆる人種が活躍する、新時代のSFドラマという印象です。
(ちなみに原作小説では、登場人物は全員中国人です)
俳優たちの演技も素晴らしい
このドラマ『三体』、ハリウッド映画などでよく見かけるような人気俳優こそあまり出演していませんが、俳優たちの演技もとても良かったです。
特に、若き日のイェ・ウェンジェを演じたジーン・チェン、そして末期ガンの宣告を受けるウィルを演じたアレックス・シャープは素晴らしい演技でしたね。
痛々しい残虐描写はなし
『ゲーム・オブ・スローンズ』では容赦のない残虐描写が多数あり、それが一つのウリでもありましたが、この『三体』では多少の暴力シーンはあれど、『ゲーム・オブ・スローンズ』のような痛々しいシーンはほぼありません。
末期ガンのキャラ、ウィルをめぐる人間ドラマにも注目
このドラマ『三体』のメインストーリーは、地球外知的生命体と人類との攻防にありますが、その一方で末期の膵臓ガンで余命数ヵ月と宣告された人物、ウィル・ダウニングをめぐる人間ドラマも、とても見ごたえがあります。
他の人間たちが「三体」との闘いに注力する中、確定している自らの「死」と向き合い、次第に何かを悟ったかのような顔になっていくウィル。
終盤、彼が下す決断とは?!
静かに始まり、次第に圧倒的スケールへと広がっていく
エピソード1で描かれるのは、物語の発端となった人物、イェ・ウェンジェの娘の謎の自殺と、主人公の一人、オギーの視界に突如現れた謎のカウントダウン。
この時点ではまだ静かな始まりで、それほど壮大なスケールを感じることはできませんが、エピソードを重ねるごとにスケールを増していき、エピソード5で1度頂点に達するイメージです。
エピソード5の演出は本当に圧倒的なので、是非ここまで観ていただきたい!
明らかに次回作を意識した終わり方
一本のドラマとしての完成度のみを考えて制作されたなら、エピソード5のラストで終わらせた方が明らかによかったはず。
それをあのような比較的静かな終わらせ方を選択したのは、明らかに次回作(シーズン2)への連続性を意識してのことだと思われます。
私は原作小説は未読ですが、原作の「三体」は三部作で、このNetflixドラマ版は二作目の途中までの内容とのこと。
シーズン2は未定
Netflixドラマ版『三体』シーズン2の制作は、まだ決定されていません。
『三体』の制作陣は本作を4シーズンでの完結を考えているとのこと。
絶対に実現してほしいですね!
まとめ:これを観るためにネトフリに加入しましょう
私は別にNetflixのまわし者でも何でもありませんが、このドラマ『三体』を観るためだけにでも、ネトフリに加入する価値のある作品だと確信しています。
異星人襲来の前段階で繰り広げられる異星人との攻防、という少し異色なこのSFドラマ。
まだシーズン2の制作すら未定ですが、予定通りいけばシーズン4で完結とのことなので、シーズンを重ねるごとにキャラクターへの愛着や親近感が湧いていったあの『ゲーム・オブ・スローンズ』のような名作ドラマになっていってほしいと、心から願っています。
視聴はNetflixで!!
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