強く美しい女性主人公が躍動するこのスターウォーズライクなスペースオペラ。
『スリーハンドレッド』や『マンオブスティール』などの作品で有名なザック・スナイダーが監督、脚本を手掛けるということで、世界中で話題のこの作品を、観てみました!
『REBEL MOON:パート1 炎の子』
2024年 アメリカ映画 原題:Rebel Moon : Part One - A Child of Fire
監督 :ザック・スナイダー
脚本 :ザック・スナイダー シェイ・ハッテン カート・ジョンスタッド
キャスト :ソフィア・ブテラ チャーリー・ハナム ジャイモン・フンスー
ミキール・ハースマン ペ・ドゥナ アンソニー・ホプキンス
予告編はこちら↓
目次
あらすじ
マザーワールドによって支配されている宇宙。平和な農耕生活を送っていた村に、突如マザーワールドの軍隊であるインペリアルの軍艦が訪れる。
インペリアルは村の長老を殺し、食糧を全て渡すように威圧して、村に軍隊の一部を残し、去っていった。
傍若無人な軍隊が、村の若い女性を犯そうとしたとき、元インペリアルメンバーの女性、コラの怒りが爆発し、反逆へののろしが上がる。
感想
SFとファンタジーの融合したような世界観
この作品は基本はSFなのですが、冒頭の村のシーンを見てすぐ感じるように、ファンタジー的な世界観の要素がかなり強いです。
SF的なミュータントやクリーチャーもたくさん登場しますが、中盤、ファンタジーの世界観そのもののグリフォンのようなモンスター(というかグリフォンそのもの)も登場し、「この作品はSFなのだろうか、それともファンタジーなのだろうか」と一瞬頭が混乱します。
SFといっても色々あって、この作品は『2001年宇宙の旅』のようなリアル系な感じではなく、『スターウォーズ』のようなスペースオペラ系ですね。
ヒロインが魅力的
この作品のヒロイン「コラ」を演じるのはアルジェリア系フランス人のダンサー、女優のソフィア・ブテラ。
正直この作品を観るまではまったく知りませんでした。
しかし冒頭の、畑を耕しているシーンからもうすでに魅力爆発といった感じ。
セクシーかつ強さを感じ、そして常に陰りを帯びた眼差しが素敵です。
アクションシーンも、ダンサーだけあって本当に身のこなしがかっこいい。
力を隠していた主人公が、隠していた力を開放するときのカタルシス
これは漫画などでもよく使用される作劇法ですが、力を隠して平凡な人間だと周囲に思わせていた主人公が、危機に際して自らの力を開放するシーン。
この演出、気持ちいいですよね。
古くは名作西部劇の『シェーン』などでも使われていた手法で、平凡そうな主人公が、実は強かった!というのは、いつの時代も気持ちのいい演出だと思います。
ちなみにこの『REBEL MOON』のヒロインや、アラン・ラッドのような平凡そうな見た目、というのがポイントで、ジョン・ウェインのようないかにも強そうな男でこれをやっても、あまりカタルシスは得られません。
格闘シーンはスローモーションを多用
戦闘シーンでスローモーションを使うのは、最近流行りの演出ですが、スローモーションをうまく使うと、本当にスピード感のある躍動的なアクションを描くことができます。
Netflixオリジナルドラマ『ウィッチャー』シーズン3の冒頭のシーンでも、スローモーションがうまく使われ、かっこいい戦闘シーンになっていました。
しかしこの『REBEL MOON』はちょっと使いすぎの印象ですね。
スローモーションと標準速度のバランスの良さ、爽快感、躍動感という点では、最近観たNetflixドラマ『幽遊白書』のほうが上ですね。
悪役がサイコパス
この「REBEL MOON」の悪役は「スターウォーズ」のダースベイダーのような威厳に満ちた黒騎士などではなく、笑いながら人を殴り殺すサイコパスです。
この悪役のキャラクターのチョイスも、かなり現代的だと思いました。
個性豊かな仲間たち
ヒロインを助ける仲間たちは、ヒロインのパートナーとなる、一見頼りないがやるときはやる農民の白人男性、動物と交流できるネイティブアメリカンっぽい男、元将軍のパワー系黒人男性、二刀流で華麗に戦うアジア系女性など、個性豊かな面々で、とても楽しいです。
銃撃戦闘シーンはスターウォーズライク
この『REBEL MOON』は元々はスターウォーズシリーズの1作として想定されていた、ということで、青や赤のビームが飛び交う銃撃戦や、ペ・ドゥナ演じるネメシスの二刀流の赤く光る剣などは、やはりスターウォーズを彷彿とさせます。
監督のザック・スナイダーはR指定のスターウォーズをやりたかったそうで、この作品のバイオレンスシーンは『ゲーム・オブ・スローンズ』ほど過激ではありませんが、スターウォーズと比較するとかなり激しい印象です。
鍵を握りそうな存在のロボットのジミー
序盤から登場する、人間の娘と心を通わせるロボットのジミー(声の出演が名優アンソニー・ホプキンス)。
パート1での出番は少なかったですが、後半チラッと登場し、パート2で物語の鍵を握りそうな感じで、楽しみです。
パート2について
この『REBEL MOON』は全二部作で、『REBEL MOON: パート2 傷跡を刻む者』は2024年4月19日にNetflixにて全世界で配信予定となっています。
まとめ
スターウォーズシリーズ以外では、久しぶりに制作されたこの壮大なスペースオペラ。
スターウォーズ第1作(エピソード4)のような傑作だとは思いませんでしたが、2時間超、退屈せずに楽しめる良作SFアクション映画でした。
当然パート2にも期待で、配信されたらすぐに鑑賞し、感想を書きたいと思っています!
(関連記事)
・ドラマ版『ウィッチャー』には何が足りないのか~Netflixドラマ『ウィッチャー』シーズン3を見た感想
・Netflixドラマ『幽遊白書』第1話を観た感想(ネタバレなし)