2019年にスタートしたNetflixオリジナルドラマシリーズ『ウィッチャー』。
スーパーマン役などで有名なイギリスの俳優、ヘンリー・カヴィルが主人公ゲラルト役を演じるということで、あのスーパー大ヒットファンタジードラマ、『ゲーム・オブ・スローンズ』のような大人気ドラマシリーズになることを期待されましたが・・・。
予告編はこちら↓
目次
ウィッチャーのあらすじ
怪物退治を生業とする、常人をはるかに超えた戦闘能力を持つ強化人間であるウィッチャーのゲラルト。
美しい女性魔術師のイェネファー。
そしてシントラの王女であり、ウィッチャー見習いとして育てられた少女シリ。
戦乱の北方諸国を舞台に、3人の運命が交錯する。
感想
つかみはOK
シーズン3のオープニング。
ゲラルトが自分を追ってきた賞金稼ぎの集団を、容赦なく切り捨てる戦闘シーン。
スローモーションなども駆使しためちゃくちゃかっこいい戦闘で、「これはシーズン3は期待できる!」と思わせてくれる圧倒的な映像でした。
シーズン2に引き続き物足りない出来
正直こう感じた人は私だけではないはず。
魅力的な戦闘シーンはいくつかありましたが、「やばい、面白い!続きが見たくてたまらない!」といった、面白いドラマシリーズを観ているときのあの感じは、結局最後までありませんでした。
シリの成長が見続けるモチベーション
シーズン3でよかったのは、シリのウィッチャーとしての成長がはっきり描かれたことですね。
シーズン1ではただのか弱い少女だったシリが、かなりの戦闘能力を身に付け、いっぱしに戦えるようになってきました。
このシリの成長は、次シーズンでも楽しみです。
物足りない魔法の描写
予告編を見てもわかりますが、魔法の描きかたがなんかしょぼいです。
これだけCGの技術が発達した現代、もっと迫力ある魔法の描写はいくらでもできるはず。
『ゲーム・オブ・スローンズ』と比較して何が足りないのか
(日本は相変わらずガラパゴスでしたが)あの世界を巻き込んだ1大ブームとなったスーパーヒットファンタジードラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』。
私も全話観ましたが、超面白かったです。
この『ウィッチャー』も『ゲーム・オブ・スローンズ』のような大ヒットシリーズを目指したはずですが、今のところ、まったく及んでいません。
一体『ウィッチャー』は『ゲーム・オブ・スローンズ』と比較して、何が足りないのでしょうか。
考察してみました。
エロとバイオレンスが足りない
『ゲーム・オブ・スローンズ』はストーリーももちろん面白いですが、プラスエロシーンと残虐な暴力シーンがいいスパイスになっているドラマでした。
時にえげつないエロシーン、一切の容赦のない刺激的な暴力シーンが、お子様お断りの完全大人向けファンタジーに彩りをそえていました。
それと比較するとこの『ウィッチャー』は、シーズン1こそ明らかに『ゲーム・オブ・スローンズ』を意識してエロシーンや暴力シーンを入れていましたが、シーズン2以降はイェネファー役のアーニャ・シャロトラのセクシーシーンもなくなり、明らかに刺激不足の全年齢向けドラマになってしまいました。
意外性が足りない
『ゲーム・オブ・スローンズ』の面白さの1つに、主人公不在、いつ誰が死ぬかわからない緊張感というのがありました。
『ゲーム・オブ・スローンズ』のシーズン1エピソード9、主人公(だと皆が思っていた人物)が処刑されるシーンを見たとき、私は正直「マジかよ。なんだこのドラマ!」と思いました。
そこから先も『ゲーム・オブ・スローンズ』というドラマは、ファンの人気と愛着のあった人物を容赦なく退場させたりと、予想のつかない展開でファンを楽しませ続けました。
『ウィッチャー』は『ゲーム・オブ・スローンズ』とは同じファンタジードラマといっても系統が異なるので、同じような意外性のある展開、というのはむずかしいかもしれませんが、容易に先が予想でき、緊張感のない展開だということは確かだと思います。
魅力的なモンスターが足りない
『ゲーム・オブ・スローンズ』ではシーズン1に小さい赤ちゃんドラゴンが登場して、それがシーズン後半になると巨大に成長し、まさに兵器のような存在になっていきました。
『ゲーム・オブ・スローンズ』は、一大群像劇であり、ベイビードラゴンたちの成長物語でもあったわけです。
この『ウィッチャー』では今のところそんな魅力的なモンスターは全く登場していません。
シーズン1で一応ドラゴンは登場しましたが、はっきり言ってしょぼかったです。
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ヘンリー・カヴィルはなぜ降板を決めたのか
ヘンリー・カヴィルが主人公ゲラルト役を演じるのはこのシーズン3が最後で、シーズン4からはリアム・ヘムズワースがゲラルト役を引き継ぐことが決定しています。
それなりに人気のあるドラマシリーズで、主役の俳優が交代する、というのはあまり聞いたことがありません。
ヘンリー・カヴィルは降板の理由を明らかにはしていませんが、一説ではスーパーマン役に専念するためとか、原作と異なるシナリオに不満があったなどと言われていますが、私は単に、このシリーズが思ったほど人気がでなかったので、やる気がなくなったんじゃないかと思っています。
ヘンリー・カヴィルも最初はこのドラマシリーズが『ゲーム・オブ・スローンズ』のような大ヒット作になることを期待して、当然最後までやりきるつもりだったでしょう。
しかし現実は、そこまでのヒットには至らなかった。
ヘンリー・カヴィルほどのスター、大した人気もないシリーズをシーズン7まで続けるのはしんどいと感じて、早めに見限ったのではないでしょうか。
これからのドラマ『ウィッチャー』シリーズに期待すること
印をもっと使ってほしい
このドラマ版『ウィッチャー』は戦闘シーンはかっこいいですが、不満なのはウィッチャーが使うことができる簡易的な魔法「印(sign)」をあまり使わないことですね。
敵に衝撃波を放って吹っ飛ばす「アード」とシールドを張って敵の攻撃を防ぐ「クエン」くらいしか使っていません。
アニメ版『ウィッチャー』の『ウィッチャー 狼の悪夢』では炎の印「イグニ」も使っていました。
戦闘を盛り上げるために、もっといろんな「印」を使っていただきたい!
面白さのためなら原作を無視してもいい
私は原作を読んでいないので、ドラマ版がどの程度原作どおりにやっているのかはわかりませんが、とりあえずシーズン2、3と物足りないのは事実なので、主役の俳優が変更するこのいい機会に、路線変更してもいいのではないでしょうか。
まとめ
ゲーム『ウィッチャー3』の世界的大ヒットを受けて制作されたと思われるこの、Netflixドラマ版『ウィッチャー』。
しかし今のところゲーム版ほどの支持は得られていないようです。
それも当然でしょう。実際あまり面白くないので。
『ウィッチャー』という圧倒的に魅力的な題材を扱うこのドラマ、私はぜひ成功していただきたいと思っています。
ヘンリー・カヴィルの降板は残念ではありますが、このドラマシリーズがいい方向に変わる、変えるには、いい機会なのではないでしょうか。
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(原作)小説版『ウィッチャー』早川書房
ゲーム版PS5
ゲーム版Switch