ナオーキのなんでもレビュー

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【バカリズム脚本】ドラマ『ブラッシュアップライフ』を観た感想・レビュー

芸人・コメディアンであるバカリズムが脚本を担当したことで話題になったドラマ『ブラッシュアップライフ』。

妻が温泉でたまたま観て面白かったということで、テレビで途中から視聴。

この度、ネトフリで配信されていたので、第1話から視聴した感想・レビューを書いていこうと思います。

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『ブラッシュアップライフ』

2023年 日本ドラマ

全10話 各話約45分

脚本    :バカリズム

演出    :水野格 松田健斗 狩山俊輔

(キャスト)

近藤麻美  :安藤サクラ

門倉夏季  :夏帆

米川美穂  :木南春夏

宇野真理  :水川あさみ

近藤 寛  :田中直樹

近藤 遥  :志田未来

受付係   :バカリズム

 

目次

 

あらすじ

熊谷市役所に勤務する平凡な30代独身女性、近藤麻美(安藤サクラ)は、両親と妹の4人家族で平凡に暮らしていた。

しかしいつものように幼馴染と遊んだ後解散した直後に、不慮の事故で命を落としてしまう。

真っ白な不思議な空間で目覚め、そこにいた受付係と話すうちに、麻美は来世に他の生物として生まれ変わるか、今世をもう一度やり直すか、選択が可能であること、そしてやり直した人生で「徳」を積んでいけば、来世を人間として転生できる可能性があることを知る。

麻美は今世の人生を、今の記憶を保ったままやり直し、自分の人生をブラッシュアップしていくことになる。

 

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感想

いわゆるタイムリープもの

このドラマは、時間を巻き戻して同じ人生を何度もやり直す、いわゆるタイムリープものです。

タイムリープもので有名な作品は「時をかける少女」「バタフライエフェクト」「バックトゥザフューチャー」といったところで、アニメでは「君の名は」「サマータイムレンダ」「ドラえもん(タイムマシンが出てくる話はタイムリープもの)」などの作品がありますね。

 

多くのタイムリープものでは、時間をある特定の時点まで巻き戻して何度かやり直す、という展開ですが、この『ブラッシュアップライフ』では、主人公の麻美が死ぬ度に生まれた時点からやり直す、という設定になっています。

死んだ時点の記憶、知能を持ったままやり直す、という設定なので、当たり前のように子供の頃は同年代の子よりも優秀なのですが、それを悟られないように隠しつつ、人生の選択肢を何度も変えて、よりより人生を目指していく、という展開が面白いドラマです。

 

カメオ出演まで含めるとキャストが超豪華

このドラマ、レギュラーで出演しているのは主人公の幼馴染たちと家族くらいで、他はカメオ出演とまでいかなくとも、1,2話だけの出演というキャストがたくさんいます。

それらのキャストの名前を挙げていくと、松坂桃李仲村トオル、江口のり子、浅野忠信神保悟志、とそうそうたる面子です。

特に安藤サクラと江口のり子の(似ていると言われていた2人)の共演は、ちょっとした話題になってましたよね。

 

「たまごっち」「mixi」「シール帳」30代に刺さるアイテムがたくさん登場

主人公の麻美は33歳の女性という設定なので、その子供時代を何度も通過する中で、「たまごっち」「mixi」「シール帳」などの30代が懐かしむたくさんのアイテムが登場します。

特に「シール帳」を使ったシール交換は、主人公麻美がタイムリープを繰り返す中で、友人との関係もその人生ごとに変っていき、関係値が変化するたびにシール交換の光景も変化していく、という、シナリオにも大きく関わってくる重要な要素、アイテムとなっています。

何度も登場する「ROUND1」でのカラオケのシーンでの選曲も、オレンジレンジの「イケナイ太陽」、レミオロメンの「粉雪」など、30代に刺さるものになっています。

 

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タイムリープを笑いに変えている

お笑いタレント、バカリズム脚本ということで、このドラマの1番の笑いどころは麻美が死ぬ度に宣告される来世で転生する予定の生物だと思います。

オオアリクイ」「ムラサキウニ」など、そりゃあ嫌がって今世をやりなおすよな、と思わせる生物ばかりなのが面白い。

 

そしてこのドラマ、感情を爆発させる人物などは少なく、全体的な雰囲気はゆる~い感じなのですが、意外にたくさんの「死」を扱っています。

実際に主人公の麻美が何度も死を経験するのですが、深刻さはまったくなく、

「あ~、しくじった~」

みたいな感じなのが面白い。

 

主人公・麻美の選択によって他の人の人生が変わっていく

これもタイムリープものにはよくある展開ですが、麻美が「徳」を積み重ねて来世に人間として転生するために、前の人生よりもよりよい選択をしようとして色々働きかけることで、他の人の人生が変化していきます。

不倫することになっていたのが、麻美の働きかけによってしなくなったり、ミュージシャンを目指す友人を「才能がない」とはっきり言うことによって諦めさせたり、と。

麻美が何度も人生をやり直すたびに、周りの人々の人生が変化していくのが面白いところです。

 

少し気になった点

理屈っぽく、説明的な会話が多い

このドラマ、基本的に映像ではなく会話で語るタイプのドラマです。

その演出のせいか、少し理屈っぽく説明的な会話が多いかな、と感じたことが何度かありました。

 

努力だけでそこまで行けるのか?

主人公の麻美は何度も自分の人生をやり直し、5回目の人生ではパイロット、という非常にハードルの高い職業まで登り詰めるのですが、はたして生まれ育った環境が全く変わらないのに、個人の努力だけでそこまで行けるかな?という疑問はありました。

 

そもそもチートすぎるだろ!

作中には麻美と同じようにタイムリープを繰り返し、何度も人生をやり直している人物が何人か現れますが、なぜ麻美も含めてそれらの人物「だけが」タイムリープが可能なのかは、語られません。

彼女たちは人生を合計で100年以上生きているのと同じで、それだけやり直せればそりゃあいい人生になりそうです。

他の、タイムリープできない人達からすれば、あまりにもチートすぎる能力です。

 

パラレルワールドの問題

これはこの作品のみならず、全てのタイムリープものに共通して存在する問題ですが、主人公の麻美が死んでも他の人物の人生は続いていくわけで、麻美が人生をやり直した場合、その他の人物のその後の人生はどうなるのか?の問題があります。

タイムリープものではよくパラレルワールド(平行世界)として世界は続いていく、という話になっていますが、麻美が人生をやり直して生まれる時点からやり直すたびに世界が新たに生まれ、それまでの世界は決して交わらないパラレルワールドになる、とすれば、麻美と同じようにタイムリープを繰り返している友人と再会できるというのはおかしな話になります。

なぜならその友人がタイムリープした時点で、また新たなパラレルワールドが生まれ、その世界は現在の麻美がいる世界とは決して交わらないはずなので。

 

まとめ

さて、バカリズム脚本のドラマ『ブラッシュアップライフ』、妻に付き合って観ることになったこの作品ですが、とても面白く、そしてパラレルワールドの問題も含めて、とても考えさせてくれるドラマでありました。

 

「死」を扱っていながら殺伐としたところは一切なく、基本的にゆるい雰囲気で、30代の人にとっては(私はその世代ではありませんが)ノスタルジーも感じさせてくれる、そんな素晴らしいドラマでした。

 

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