ナオーキのなんでもレビュー

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ネットフリックスで『捕食者の世界 エピソード4 ホッキョクグマ』を見た感想

ネットフリックスの動物ドキュメンタリーシリーズ『捕食者の世界』も、もう4話目になりました。

 

今回の主役は地上最大の熊、ホッキョクグマ、舞台はカナダ北東のハドソン湾です。

 

予告編はこちら↓

目次

 

冒頭いきなり巨大なオス同士のレスリン

冒頭いきなり2頭オスのホッキョクグマ同士の、縄張り争いのレスリングが始まります。

それはまさにレスリングと言っていい格闘で、どちらが優位かを決めるための戦いであり、相手を傷つけるような攻撃は、お互いしないようです。

 

ホッキョクグマの狩り

ホッキョクグマ以外の多くの熊は雑食性であまり狩りをしませんが、ホッキョクグマの住む北極圏は植物が少ないせいか、ホッキョクグマは狩りをすることで知られています。

ホッキョクグマの獲物は主にアザラシです。

 

しかしこれまでのエピソードで華麗に狩りを成功させてきたネコ科の猛獣とは異なり、力は強いですが敏捷性がまったくないホッキョクグマは走るのが苦手で、狩りの手段は主に待ち伏せや不意打ちになります

そしてそのほとんどが失敗に終わるようです。

 

ネットでホッキョクグマの狩りの成功率を調べたら10%という数字が出てきて、これは本当に成功率が低いようです。

ちなみにホッキョクグマよりも狩りの成功率が低い捕食者はトラで、7.5%(これは意外でした)、ライオンは18%、チーターは成功率が高く58%でした。

 

温暖化で北極の氷が解けると、ホッキョクグマがアザラシを捕食することもできなくなる

今回の主役は冒頭に出てきたオスのホッキョクグマなのかなと思いきや、今回も中心となるのは子供を連れたシングルマザーのようです。

 

シングルマザーのメスのホッキョクグマが、双子の子供2匹を連れて、内陸の巣穴から食糧を求めて氷が張ったハドソン湾へと旅立ちます。

 

最近は地球温暖化が進み、北極の氷が早く溶けるようになり、アザラシの狩場まで向かうには海を泳いで、とぎれとぎれの氷に渡りついでいかなければならず、子供のホッキョクグマにとっては命がけの旅になります。

 

ホッキョクグマは昆布も食べる

ホッキョクグマの食べ物と言えば、まずアザラシ、ごくまれにセイウチの子供、という感じで肉食のイメージしかありませんでしたが、昆布も食べるようですね。

やはり他の熊同様、雑食ということなのでしょう。

 

ホッキョクグマは夏になるとハンターから採集者へと変わる

この『捕食者の世界」シリーズ、私たちの先入観を破壊して、いつも新たな発見を与えてくれます。

 

まず花の咲き誇る緑の大地をホッキョクグマの親子が歩いている映像。

見たことがあるでしょうか。

私は初めて見ました。

 

そしてアザラシばかり食べているイメージのホッキョクグマですが、夏の緑の大地においては、彼らのスピードで捕えられる獲物はなく、熊の雑食性を生かして、捕食者から採集者へと変化します。

 

豊富にある草などを食べて、飢えをしのぎます。

 

ベルーガシロイルカ)を仕留めるホッキョクグマ

数週間の間だけ出産のため岸に寄ってくるベルーガ

飢えたホッキョクグマにとってはごちそうに見えます。

若いオスのアークトスはベルーガを狩る方法がわからず、見ているだけですが、経験豊富なオスのアーサがそれを見せてくれます。

 

小さな小島のような岩の上に乗り、物体のようにうごかず、じっとその時を待つアーサ。

ベルーガの群れがアーサの存在に気づかず、寄ってきたところに飛び掛かり、一撃で仕留めます。

 

ホッキョクグマベルーガを仕留めるシーンは初めて見ました。

圧巻の映像です。

 

1頭のオスのホッキョクグマにはベルーガ1頭は食べきれないため、仕留めた者が満腹になった残りは他のホッキョクグマでシェアする形となり、結果的に種族全体の存続に寄与することになっています。

 

前回の「ピューマ」の回でも赤の他人のピューマ同士で獲物をシェアする場面がありましたが、こうして同種族同士で獲物をシェアする行動というのは、種の絶滅を防ぐための本能的な行動なのかもしれませんね。

 

冬を心待ちにするホッキョクグマたち

ほとんどの生物たちにとっては春が待ち遠しく、冬は耐え忍ぶものですが、ホッキョクグマたちにとっては、夏に得ることができる高カロリーの食べ物というのは、数週間しか岸寄りしないベルーガくらいなもので、あとは低カロリーの植物で飢えをしのぐか、できるだけ動かずに、自分の体に蓄えた脂肪のカロリーを消費しないようにすることしかできず、ホッキョクグマたちにとってはアザラシがたくさん獲れる冬こそが待ち遠しい季節なのだという事実は、私にとっては驚きでした。

 

町に来てゴミをあさるホッキョクグマたち

後半になると冬が来る直前の晩秋、飢えに耐えかねたホッキョクグマたちが人間のテリトリーに入り込んできて、ゴミをあさるシーンが出てきます。

こうしたことは私たちが住む日本でも起きていて、人間の領域に降りてくる熊の問題というのは、世界中で起こっているんだなと思いました。

 

最後まで観た感想

冬が来るのを心待ちにする生物の存在。

我々人間は冬という季節を嫌う人が圧倒的に多いですが、この広い世界には、冬という季節を飢えに耐えながら心待ちにしているホッキョクグマという生物がいるのだということを知ることができ、面白い動画鑑賞体験となりました。

 

またこの素晴らしい映像を撮影したスタッフたちは、何カ月も寒い中キャンプして撮影したんだろうなと思うと、本当に価値ある映像をありがとうございましたという気持ちです。

 

個人的評価 8/10

 

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