2017年に日本で公開された映画『22年目の告白~私が殺人犯です』の元ネタになった韓国映画『殺人の告白』。
殺人事件の時効が成立した後に、犯人が「私が殺人犯だ」と名乗り出て、本を出版、そしてスターにまでなってしまうというトンデモ設定の映画ですが、はたしてどんな結末にたどり着くのか?
気になる日本版との比較も!
アマプラで観た感想を書いてみました!
(ネタバレなしの感想です)
『殺人の告白』
2012年 韓国映画 原題:내가 살인범이다 上映時間 119分
監督 :チョン・ビョンギル
脚本 :チョン・ビョンギル イ・ヨンジョン ホン・ウォンチャン
キャスト :パク・シフ チョン・ジェヨン キム・ヨンエ
目次
あらすじ
10人の女性が殺害された連谷(ヨンゴク)殺人事件。
主人公の刑事、チョ・ヒョングは犯人を追い詰めるも取り逃し、口元に深い切り傷を負わされてしまう。
それから17年後、連谷殺人事件の犯人だと名乗るイ・ドゥソクという男が現れる。
時効が成立し、法で裁かれることがなくなったドゥソクは「私が殺人犯だ」という本を出版し、一躍スターとなる。
感想
殺人犯がスターになってしまう異様な社会
イケメンだからと殺人犯がスターになってしまう社会。
日本でもリンゼイ・アン・ホーカー殺害事件の犯人、市橋達也のファンクラブができたりといったこともありましたが、さすがに殺人犯人がスターになって本を出して、アイドルばりにサイン会が開かれる、なんてことはありえないと思います。
私は韓国社会には詳しくないですが、韓国社会というのはそうなりうる社会なのでしょうか?
車のフロントガラスを貫通するナイフ
この映画は私はサスペンスだと思って観ていましたが、途中から荒唐無稽なアクション映画としての側面が強くなってきます。
殺人犯ドゥソクに娘を殺された家族が、ドゥソクの誘拐を企てるときに、毒蛇に噛ませるという不確実な手段を使う。
アクションシーンで車のフロントガラスを貫通するナイフ(どれだけ鋭いナイフだ!)など、つっこみどころ満載のシーンが連続します。
中盤、真犯人を名乗るJという男が現れる
荒唐無稽なアクションシーンにがっかりしつつ観ていましたが、中盤、主人公の刑事ヒョングと、ドゥソクが対面し、討論するテレビ番組で、突然一般人として電話をかけてきたJ(ジェイ)という男が「私が本当の犯人だ」と名乗り出ます。
Jもまたドゥソク同様、犯人でしか知りえない情報を持っており、真犯人がドゥソクなのか、それともJなのかわからなくなり、シナリオ的にはかなり盛り上がりを見せてきます。
終盤のサスペンス展開は秀逸
終盤、ヒョング、ドゥソク、そしてJの3人を集めてのテレビ討論番組。
そこから真相が暴かれる怒涛の展開は、まさに秀逸の一言。
壮大な仕掛けに本当にワクワクさせられること間違いなしです。
日本版との比較
この映画「殺人の告白」を元ネタとして作られた日本映画「22年目の告白-私が殺人犯です-」との比較をしていきたいと思います。
日本版はアクションシーンがほぼない
この「殺人の告白」ではジャッキー・チェンの映画ばりの激しいアクションシーンがいくつかありましたが、日本版にはアクションシーンはほぼありません。
まともさは日本版が上
日本版は韓国版にあるような荒唐無稽なアクションシーン、おバカシーンが一切ない、シリアスな社会派サスペンスといった感じなので、演出のまともさは日本版が上です。
イケメン度は韓国版が上
これは個人的感想になりますが、自分が殺人犯だと名乗り出てきた男(韓国版はパク・シフ、日本版は藤原竜也)を比較すると、イケメン度に関しては韓国版が上のような気がします。
真相が明らかになるときの演出は韓国版が圧倒的に上
ストーリーの大まかな流れは共通していますが、真相が明らかになるときの演出、そしてカタルシスは韓国版が圧倒的に上です。
まとめ
さて「22年目の告白~私が殺人犯です」の元ネタとなった韓国映画「殺人の告白」。
サスペンスとしてのシナリオは本当によくできているだけに、無駄なアクションシーン、おバカシーンをなくしてサスペンスに徹していたら、もっとクオリティの高い映画になったと思うだけに、そこが少し残念でした。
しかし欠点はあるものの、しっかりまとめ上げられたシナリオ、クライマックスで明らかになる驚愕の真相、観る価値のある要素はたくさんあります。
まだ観ていない方は、アマゾンプライムビデオで是非!!
(日本版)
【韓国版との比較】映画『22年目の告白 私が殺人犯です』をアマプラで観た感想・レビュー
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